Living in Germany

ドイツ人と国際結婚。夫&娘とドイツ暮らしです。

 

 

 

 

☆産科でのおっぱい訓練

また夏日がやって来ました。でも妊婦じゃない分、体感温度は少し低目な気がします。赤ちゃんにとって何が快適なのか、こんな暑い部屋で大丈夫かそれが心配です。ちなみに現在外気温33度。

 

オムツを替えた瞬間にブーっとうんち

オムツ交換中にうんち、おしっこ

やっと寝た!と思ったのに旦那があやして起こしてしまう

抱っこで寝たけど置いたら泣いちゃう

 

どれもこれも、あるあるだと思いますが、本当なんだな、と。今は全てが可愛くて許しちゃうし、逆に寝れないと何が原因なのかわかってあげたくてでもわからないもどかしさみたいなのも感じて・・・日々、私も勉強。

 

さて、病院でのおっぱいトレーニングの話を。

 

母乳で育てたいという思いはもちろんありましたが、そこまで強く思いつめているわけではなく、娘がしっかり育ってくれるなら母乳でもミルクでも構わないとは思っていました。でも今まで色んな赤ちゃんを見てきて、ママのおっぱいを吸う姿の可愛さに、ずっと憧れていたのは事実。願わくば母乳で、という思いでいました。

 

産んですぐに初乳をあげましょう、とトライするも赤ちゃんがくわえず上手く行かず、それでもその後、私が寝たきりの状態で授乳にトライし、びっくりするほどの吸引力に赤ちゃんの生命力を感じました。それにしてもこんなに痛いんですね・・・想像以上でした。

 

最初はおっぱいは出なくて当たり前、と看護婦さんに言われ土曜の深夜に産まれてからの月曜の夜、看護婦さんがマッサージしてくれて水のような透明なのが出てきていることに気づき、いい兆候だと褒められました。3時間おきに授乳し、乳首は切れて痛いし体は動かないしで大変でしたが、残念ながら娘は生後の自然体重減の許容範囲を超えて体重が少なくなる一方。

 

翌朝、看護婦さんがやってきて体重が増えていないからと授乳を見てくれたのですが、本来上あごと舌の間に入るべき乳首が、舌の下に入っているか、舌の長さが届いていないかでしっかり吸えていないと指摘されました。こんなに吸引力があるのに!と私は驚きましたが、吸うだけじゃおっぱいは出ないとの事。赤ちゃんの舌の動きがあって初めて出るんだと教えてくれました。

 

とりあえず3時間おきに私は搾乳、旦那は娘にチューブを通して授乳することに。私の搾乳分を入れて30mlを1度に与えること。足りない分はミルクで補うことになりました。

 

その日、出産から72時間後に行われる赤ちゃんの検診があり、体重減少以外は問題なし。明日、体重が更に減っていたら退院は許可できない。増えていれば家に帰って大丈夫だとの事。

 

通常、10%の体重減までは許容範囲らしいのですが、娘は11%でした。3480gで産まれたのが3115gにまで減っていました。たかが1%って思いますが、小さな体の赤ちゃんにとっては大切な数字なんだそうです。

 

最初は搾乳しても数滴しか出ず、しかもものすごく痛くて・・・。搾乳ってこんなに痛いんだとびっくりしながら苦しいけれど娘のためだ!と思って頑張りました。両乳同時搾乳で自動でポンプが搾乳してくれるのですが、搾乳機とおっぱいの接合部分?が上手く密着していなくてせっかく搾乳したお乳が漏れてしまったり、それはそれは慣れるまで大変でした。

 

途中からは、時間はかかるけれど片方ずつやったほうが確実なので作戦変更。数回目からは1回の授乳に必要な30mlは搾乳できるようになりました。

 

一方、赤ちゃん側のトレーニングは、旦那の指にとてもやわらかい細い管をつけ、娘が旦那の指を吸います。そのときにミルクが流れる仕組みになっていて、旦那はその管に注射器で少しずつミルクを入れていきます。

 

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これが、娘には疲れるのか途中で寝てしまってなかなか進みません。3時間ごととは言うものの、1回の授乳に1時間以上はかかってしまいました。朝から夜中、そして翌日のお昼までこのトレーニングを3時間おきに続けました。私は搾乳を続けました。

 

夜、搾乳を終えて3時間後に目覚ましを掛けて寝たのですが、今まで娘がお乳を吸えていなかったことに気づいてあげられなかった申し訳なさで涙が止まらず、ずっと泣いてしまいました。別にミルクを与えることに罪悪感は無くて、とにかく娘が育ってくれればどんな形でも構わないと思ってはいるのに、なんかすごく申し訳なくて、出産後からまともに何も出来ない母としてのふがいなさにも涙。

 

夜中、友人と交わしたメッセージでまた涙・・・。そして胸が熱を帯びてものすごくパンパンになって痛くて痛くて眠れない。今まで帝王切開で動けなかった身体が、次は胸の痛さで寝返りすら出来ない状態。

 

寒気も感じて、怖くなって看護婦さんを呼びました。おっぱいの状況を見てくれて「今、お乳を作り始めた状態だから大丈夫、少し冷やすと楽だから」と冷却剤を持ってきてくれました。寒気を感じるのもおっぱいが熱を持っているから、とのこと。色んな気持ちが入り混じって看護婦さんの前で泣いてしまって、大丈夫よと励ましてくれたあの日の看護婦さんには感謝感謝です。

 

「3時間後、寝過ごしてないか見に来るからね!」と出て行った後も、涙が止まらなくて一睡も出来ず3時間が経過。そして次のトレーニング開始。トレーニングに使うグッズをその看護婦さんが持ってきてくれたときに、私にこっそり「寝てないでしょ?」と聞いてきた。「みんなそうよ、旦那さんはグースカ寝るものよ、あなただけじゃないからね。頑張りなさいね」って。あの言葉には励まされたなあ・・・。

 

旦那も3時間おきにちゃんと起きて頑張ってくれました。でも旦那はとにかく退院したくて頑張っている感じ。私は無理して体重を増やさなくても、ここで看護婦さんたちに見守られていたほうが安心だから、別にあと1泊や2泊、長くなっても構わないと思っていました。でも一方で、家に帰ったほうがリラックスできていいのかもしれないな、という気持ちもありどっちつかずの意思だった私。でも、それじゃいけないと思って、「明日、3人で家に帰る!」と目標を持って気持ちを入れ替え、3時間ごとの痛い搾乳を乗り越えました。

 

翌日、ドキドキの体重測定。

 

結果は3120g、前日より5gだけ増えていました。

 

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あれだけ頑張ったけど5gなんだ・・・と思ってしまいましたが、小さな身体の5gは大切な数字。そして無事退院が許可されたのです。薬局でレンタルできる搾乳機を使って家でも搾乳するようにと言われ、その処方箋をもらいました。

 

「ここから先は、ヘバメと一緒にやっていきなさい、ヘバメは見つかっている?」と聞かれ、このときほどヘバメがいてよかったと思ったことはありません。小児科の先生にもヘバメは見つかっているか?と確認されて、やはりこういう状態になったときヘバメの存在というのは大きいんだと気づきました。もし見つかっていなかったら退院を延期するのか、通院するのかその辺もきっと対応はしてくれたんだと思います。

 

また私のヘバメはその病院のあるエリアを中心に活動しており、1988年からヘバメをしている大ベテランということで病院の先生も看護婦さんもみんなそのヘバメのことを知っていました。

 

私が出産したかどうかも時折病院に連絡して確認してくれていたり、退院が決まる前も、こんな問題が出てしまっているとメッセージを送っておいたので、産後の訪問1回目から授乳を中心に診てくれました(ヘバメの話はまた別の機会に)。

 

とはいえ、ヘバメが来てくれるのは退院翌日から。退院したその日とヘバメが来るまでの1日をどう乗り越えればいいのか・・・。病院からはミルクをもらい、これをあげなさいとのことでしたが、管とか注射器とかはもらえず哺乳瓶で与えなさいとのこと。

 

家に帰るその道すがら哺乳瓶を買い、家で搾乳したミルクをあげてみたところ、ものすごい勢いで飲み干しました。哺乳瓶ってそんなに簡単に飲めるようになっているんだ、ということに驚きました。逆さまにするだけで中のミルクが出てきますからね。

 

そしてそんなにたくさん早く飲めるんだね、ということにもびっくり。お腹空いてたんだな・・・。退院して家に戻ったら、予想以上に長く家を空けていたこともあり、休暇から帰ってきたような感じ。洗濯物も多いし、何かと荒れているし(きれいにして行ったのに、途中で旦那が何度か帰ってきているのでそのときに荒れてた・・・)、思うように身体は動かないし、娘はいるしでなんだか大変。

 

旦那は久々に帰ってきたのが嬉しかったのかテレビ見ながら大爆笑。私は娘に授乳しつつ飲めているのか飲めていないのか心配で、搾乳して与えて・・・の繰り返し。ベッドのシーツを変えて!オムツ替えて欲しいから先にシャワー浴びてきて!とか色々言うものの「まだご飯食べてるんだよね」とゆっくりご飯を食べる旦那にムカー!!!となり、私なんて数分で食べて急いでシャワー浴びて授乳しているのに・・・と悲しくなり、授乳中に娘がミルクを飲み込む「ごくん」という音が聞こえないからテレビを消して!と怒り、あの日の夜は本当に私はイライラが最高潮でした。

 

おっぱいを吸う娘のことをものすごい形相で見つめていたんですよね。全く幸せな母の顔をしていない、飲んでるのか?飲んでないのか?ってそればかり気にして眉間に皺を寄せて凝視していました。駄目ですよね、そんなんじゃ娘もリラックスして飲めるわけない。

 

家で過ごす最初の夜、娘は興奮したのかお腹が空いたのか全く寝れずで泣いてばかり。旦那は爆睡。いびきで寝れたもんじゃない。

 

私は娘とリビングに行き、ソファーで寝ました。そして絶対に母乳で育ててみせる!と気持ちを新たに、You Tubeで授乳方法などの動画を見て、上手く吸えない子供への対処法みたいなサイトを見て、見よう見まねでやってみたところ、ゴクンと飲む音と、胃に入っていく音?みたいなのが密着している娘の身体から感じられて、あー、飲んでる!とものすごく感激してまた涙。

 

お互いすごく疲れたけれど朝まで3時間ごとに授乳し、私は搾乳もして一晩過ごしました。

 

そしてヘバメがついに来てくれて、私のおっぱいを見てくれて、娘の吸い方などを見てくれて、一言「なんの問題も無いわ!ちゃんと出来てるわよ!心配すること無い!」と。私、このひと言にものすごく救われたんですよね。まだきっとシャワーの様には出てないから娘も吸うのが大変で寝ちゃうこともあるし、時間の割には飲めていないこともあるかもしれない。だけど搾乳した分とあわせてやっていけば問題は無いとのこと。

 

そして妙に眠りが深くて3時間ごとに起こすのもはばかられるんだと話をしたら、最大6時間までは寝させてOK、6時間越えたら起こしなさいと。あとは2~4時間の幅があって当たり前、欲しがったらあげなさい、と言ってくれて、「6時間」という時間枠にすごくホッとしたというか、今まで3時間3時間3時間!!と念仏のように唱えてやっていたから、6時間と言われて余裕が出来て、気持ちもすごく落ち着きました。

 

それ以来、授乳後は6時間のアラームをかけていますが、6時間寝ることもあるし寝ないこともある、2時間で欲しがることもあります。ただ私の気持ちがリラックスできているのか、おっぱいが出るようになったのか、ヘバメが最初に来て見てくれた日から何の問題もなく授乳できています。

 

旦那の指で訓練した結果が出たのか、何が一番大きな原因だったのかはわかりませんが、おっぱい訓練の中で思ったのは「言葉」の大切さ。「大丈夫よ」って言ってもらえることの安堵感にすごく救われました。

 

今では授乳していない間もじわーんと出てきてTシャツに染みこんでいることがあります。結局、私は人より時間がかかったのか、みんな同じなのかはわかりませんが、ミルクに助けられながら今は完全母乳の軌道に乗れました。そして、ようやくおっぱいを吸う娘の姿を幸せな気持ちで見つめられるようになりました。まだまだ片方吸って疲れて寝てしまったり、お互いの息が合わないこともありますが、1日1日上手くなっていければな、と思います。

 

産科を選ぶときに、授乳の方針とかそういうことまでチェックしておらず、私は病院の雰囲気優先で選んだのですが、「よほどのことが無い限りは母乳以外は与えない」というその病院の強いモットーがあったようで、根気よく指導してくれたことにとても感謝です。

 

ちなみに、おっぱい用のお茶を飲んでます。ドイツでは主流ですよね。子供のミルクなどが売っている所にはどこにでも売ってます。

 

 

 

WELEDAのほうはなんかカレーの味がします。味的にはAlnaturaのおっぱい茶の方が私は好きかな。