Living in Germany

ドイツ人と国際結婚。夫&娘とドイツ暮らしです。

 

 

 

 

☆義父、ホスピスに入所しました

本日、無事にパパがホスピスに入所しました。そしてママは予定が変更になり明日退院となります。

つ・・・・、つかれた・・・・。

ママが帰ってくるまでの時間はつかの間の休息です。本当なら実家に行ってパパのベッドの周りとかきれいにしておきたいし、洗濯もやっておきたいのですがもうそんな気力もありません。どうせ頼まれるならママがいないうちのほうが絶対に早くできるし。元気になったら夕方か明日の朝一番にでも行こうと思います。

さて、昨夜パパが自宅で過ごす最後の夜、私と娘で泊まりましたが私はパパの入所にあたって必要になったものなどを用意するのに明け暮れました。用意に明け暮れたのではなく「探すこと」に明け暮れました。

パパのパジャマとかはすぐに用意できたんですけど(ホスピスの人には一応長袖Tシャツを持ってきましたが前開きパジャマのほうがいいですよね、と一言添えておきました)、あとホスピスからは「家族の写真」を持ってくるように言われました。取り急ぎ娘(パパにとっては孫)の写真や写真の貼ってあるカレンダーを詰め込みました。

さて、ここからです。

まずとても重要な書類2点を探さなければなりません。娘が寝ている部屋にあるため小さな携帯の明かりでファイルを探し出してその書類を探すのですが、見つからない。そもそもファイル自体ママが言っている題名の付いたファイルがない。

暗い部屋でファイルを探すのはもう限界で、これは朝に持ち越すことにしました。翌朝、なんとか見つかりました。

この書類はパパに何かあったときに諸々のこと誰に任せます、ということが書かれたもの。ここにはママが任せられると書いてあります。亡くなった後、色々もめないように明確に誰に何を任せるかみたいなことを整理してあるもの、遺言書に似たようなものですかね。

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パラパラっとめくっただけですが、例えば借家の解約を任せます、とかそういう細かいことまで書いてあります。

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ようやくこの書類を探し出し、次は薬。

服薬している薬とそのプラン(1日何回か・・・とか)を持ってくるようにとのこと。

この薬ですが、まずママが倒れて運ばれたときにママが電話で指示してきました。留守番中のヘルパーさんが電話を取ってくれてメモをしてくれましたが全くわからん。申し訳ないけど適当にしますって感じでいたら外出許可を取って戻ってきたママが、向こう一週間の薬をきれいに曜日ごとにタイミングごとに分けて用意して帰りました。

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でも、この準備は私は見ていないから結局このそれぞれの薬の箱がどこに行ったのかがわかりません。その時ママが自分でメモをして置いて行ったのですが、まず読めない、そしてどこにあるかわからない。

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もうお手上げ。手前のがママのメモ。読めないし・・・。でも倒れたママは病院から電話で薬の名前を何種類も言っていつ飲むのか、その分量まで指示したのですが、すべてが頭に入っていてすごいと思いましたよ。

ただ、薬の名前もうろ覚えだったりしてメモに書かれている名前と本当の名前が違ったりしてそれもまた訳が分からない。ママとパパと二人の薬があっちこっちに散らばっているから、ものすごい数。その中から探すのがもうお手上げ。


これももう夜の間にできなくて、翌朝ママに電話して聞いてみることにしました。

やはりあまり寝れないまま迎えた翌朝、パパが入所する日です。9時45分に迎えが来ます。それまでやること満載。もう朝から盛沢山すぎて結構大変。

まずはパパの朝食。昨日も今日も娘がパパにあげてくれました。全部は無理だし私も手伝いましたが、日ごろくまちゃんの世話をしているだけあってしっかりパパに食べさせてました。やるやん!

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ホスピスに入所するにあたってはホスピスの担当者の方がほぼすべて手配してくれました。パパの搬送について、パパのかかりつけ医とのやり取り(必要書類の準備を依頼)、ヘルパーの会社にも連絡してくれていて、搬送時間を伝えてくれてできればその前に訪問してほしい旨などをすべて伝えてくれていました。本当に助かりました。

私はそのかかりつけ医に行って書類をピックアップすることや、ヘルパー会社に連絡して時間の確認などなどそういうことをすればよかったので、ホスピスの方の手配の素早さと的確さには感激!

ヘルパーさんは朝8時には来てくれるとのこと。そこには必ず私が立ち会って最終のサインをしたり鍵を返却してもらったりする必要があるとのこと。ヘルパーは5人チームで誰かが来てくれるのですが、その中で一人、ママが嫌がっているおばさんがいて冷たいしキツいしあの人は嫌だ!っていつも言っているそのおばさんが来た・・・。私も顔は知っていたのですが、よりによってこの人か・・・と。

でも、そのヘルパーさんすごく優しくて、パパがホスピスに入ることに関しては「正しい選択だと思うわ」とのこと。ママが倒れたこと、私がここ1週間ずっと看ていることなどももちろん知っていて「大変だったでしょう、よく頑張ったわ」と。私は自宅介護は無理だと思ったし、ママの性格からしてやりすぎるし気にしすぎるし、それがこういう結果になってしまったと思うということなどを話したら、その通りだと。「本当は何もすることは無いのよ、だけどあれこれしちゃうから疲れちゃうしストレスになってしまう。私たちがいるんだから任せてくれて構わないのよ」とのこと、そして最後に「そういう彼女のストレスがきっとパパにも伝わってたんじゃないかな、私はそう思うよ、だからホスピスに行くという選択は正解だと思うわ」と。っていうかこのおばちゃん、めっちゃいい人やし、めっちゃ話わかるし。

そのヘルパーさんがパパのお世話に入る前に書類もろもろすべてやり取りして私はすぐにかかりつけ医に行かなければなりませんでした。ヘルパーさんが私が悪戦苦闘してた薬のメモを見て、薬の表ならここにあるわよ!と、さっと出してくれました。毎回ヘルパーさんが引継ぎを書くファイルの中に色々入っているのは知っていましたがそこに薬のリストもあるとのこと。

しかもヘルパーさんは昨日の段階でパパのかかりつけ医とその薬のリストを再チェックしてそれが最新であるということを確認済みだからこれで間違いないから!とのこと。そこまでしてくれるんだ!

・・でも、ママのリストと違うのだーーーー!

きっとママはあっちにこっちに走り回って色んな薬を集めたんだろうな。でももうここは私が判断してこのヘルパーさんが見せてくれたかかりつけ医お墨付きの薬のリストで用意することにしました。

それでもやっぱり1種類足りない・・・。ママに電話してその薬の場所を聞いたらこの前1週間分に分けたときにすべて使い切ったから「お医者さんに行って処方箋もらって取ってきてちょうだい」、とのこと。っていうかまた仕事増やすかーーー!!

とりあえずいずれにしてもかかりつけ医に書類をもらいに行く必要があったので合わせて処方箋ももらえましたが、薬局がないのです・・・。ママの住む村、かかりつけ医のある隣の村にも薬局は無く・・・結局私の家の近くまで走ることになりましたよ。だからママはいつも薬は配達してもらってるのかーとそこで理解。

家の近くを通ったついでに、ジップロックなどを取りに行きました。こういうのがないと薬を渡すのも大変だしぐちゃぐちゃになるし。それはそれでよかった。

ようやく完成。

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ここには、ヘルパーさんのファイルから取り出した薬リストを入れました。

そのリスト、よく見たら

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それぞれの薬を誰があげるか、っていう欄があって「奥様がやる」って書かれていました。これも頼めばヘルパーさんがやってくれます。もちろんその分ちょっと料金は上がるみたいですけど、こういう一つ一つの小さなことも任せてしまったらよかったんじゃないかと今は思います。

早朝からバタバタしてすべての持ち物が揃ってパパのところに戻ったのはもう搬送車が来る15分前でした。

パパにはちょっと嘘になってしまうけれど「今から一緒に病院に行こう、そこで少し検査してもらうから泊まることになると思う、でも私も一緒に行くし、ママも退院したら来るって言ってるし大丈夫よ。今日はとってもいい天気だから外に出れるの楽しみだねー、もうすぐお迎えの車が来るからねー」と伝えるしかなく、これを2回言いました。わかってるのかな・・・と思っていたらパパが

「迎えの車はいつ来るんだ?」って聞いてきたので、しっかりわかってたんだ!「いつ家に戻れるんだ?」とかも聞いて来ました。

時間通りお迎えが来てくれました。若いお兄ちゃんが2人来てくれて、階段があるのでパパをいったん椅子に載せて運搬して、その後ベッド状のものに載せ替えて。それだけでもパパは痛いって叫びまくるから大変。でもお兄ちゃん達めっちゃ優しかったー、こういうちょっとしたことに私はとても救われました。

私もすぐに家を出てホスピスへ。一足先についていたパパはもうお部屋に入っていてベッドに寝ていました。古いけどとても清潔感のあるところ。病院ぽくもないし、老人ホームという感じでもなくてお部屋が並んでいてカフェテリアがあったりしてお庭があって小規模ですがアットホームな感じ。

そこで日ごろのお世話をしてくれる方々とお会いして、事務局の担当者と緊急連絡先とかを含めた諸々の手続き、そして次はお医者さんが来てパパの状況とかの問診。私は今の状況を説明して不十分かもしれないけれどという前提でパパの様子、食欲、生活リズムなどを伝えました。ただ、もう私にはこんなやりとりは荷が重すぎる・・・。「改めて義母に聞いてもらったほうがいいかもしれません」と伝えました。

来る人来る人めーーーっちゃ優しい。そういう人がホスピスに勤めるのかな。こんな優しいドイツ人がこんなにたくさんいるんだーという感じ。もう、そのやさしさに泣けてくる・・・。

面会時間とかは無くていつでも誰でも自由に来て良いとのこと。お部屋も好きに家具を移動したり何かを飾ったりなんでもしていいからね、と。共同だけど冷蔵庫もあるから何か食べたいものがあったら名前を書いて入れておいたらいいとか本当に自由な感じ。

ようやくパパが入所して、これからはここで看てくれる人がいるんだと思ったらもう本当に心からホッとしました。

今日はここにたどり着くまでずっと娘と一緒。そりゃ大変だったけど搬送のお兄ちゃんとかホスピスのスタッフとか、ママが嫌いなヘルパーさんとかもやっぱり小さな子がいたらちょっと雰囲気が和むし、娘はただそこにいるだけで本当に大きな役割を果たしていたように思います。

パパは「いつ帰れるんだ?」とか聞いてくるけれど、どう答えたらいいのかわからない・・・。心苦しいけれど、こんなにスタッフの人も親切なんだから安心してお任せできます。うちからは車で15分ほど。いつでも気兼ねなく行ける距離です。

とりあえず一安心。私たちは帰ることに。

娘もさすがに疲れたか機嫌も悪くなってきました、私一人だったらもっとスムーズだったよなあ・・・と思いながら外に出たら、同じ敷地に「子供ホスピス」の看板がありました。

子供のホスピス・・・、その看板を見たときにすごく胸が締め付けられるというか複雑な気持ちになりました。ここで過ごす子供たちもいるんだよね・・・と。

元気で健康でいてくれる娘に感謝。

明日、ママが退院するまではゆっくりしたいと思います。