電車を待つ間、ホームのベンチで本を読んでいたら、
知らないおじさんが「右から左?上から下?どうやって読んでるの?」
と、話しかけてきました。
本を読んでて、読む方向について話しかけられるのは
もう5回ぐらいあるかと思います、なのでそんな質問も慣れっこ。
「縦書き」というのが衝撃的なようですね。
しかもページをめくる方向も右から左ですからね。
通常横文字の場合は左から右のページへと移りますから。
そのおじさん、よほど興味がわいたのか、
胸ポケットからメガネを出して私の本を覗いてきます。
ドイツ人っぽくない、50代ぐらいのおじさん。
さっさと去ってくれるかと思いきや、
「どこの国の言葉なの?」から始まり、
何年住んでるのかとか、ドイツ語はどこで習ったのかとか
そんな質問になりました・・・・。電車よ、早く来てくれ・・・という感じ。
しつこいおじさんだったので、本を読みたいんだ!という
オーラを出して、適当にかわしていたうちに、
念願の電車が来たので、「じゃあね~」と言った所
同じ方向だから一緒に座ろうよ、とのこと。
断りたかったけど、断りきれず、
結局隣に座って世間話をしながら乗りました。
15分ほど・・・・。長かった。
おじさんはモロッコ人で、早くに奥さんをなくして今は一人。
金曜と土曜日は街のクラブに繰り出して朝まで踊ってるそう。
50歳ぐらいのおじさんです、元気ですねえ・・・。
日ごろは車の修理工らしい。
ずーっと聞いてばっかりでちょっとは質問してあげようかなと、
「車の修理工なら、今の時期は冬タイヤの交換で忙しいんじゃない?」と
聞いてみたら、どうやらそれがどんぴしゃの質問だったようで
嬉しそうにお仕事の話になりました。
で、君は車を持ってるのか?ということになり、
私は持ってないけど旦那は持ってる、と答えると
何か修理が必要だったらいつでもおいで!安くするから!とのこと。
適当に「どうも~」って答えて、そろそろ降りる駅だ!と
去ろうとしたところ、僕の電話番号をメモっておいて!とのことだったのですが、
ここで携帯を出すと、私の番号を聞かれたりしても嫌なので、
「メモするもの、何も持ってないんだよね・・・」と答えると
ボールペンを渡されて、これで手に書いておきなよ!って・・・。
普通、そういう指示する!?って思いつつ
ちょうど紙袋を持っていたので、紙袋にメモしました。
一応ね、おじさんがメモしろってうるさいので。
まあ、世間話をしただけで何も無かったのですが、
おじさんもあまりドイツ語が出来なくて、言ってることもよくわからないし・・・。
昔、これまた電車で本を読んでいるときに、向かいに座った女の子が
私がページをめくる方向がおかしいことに気づいて、
隣にいるお母さんに「この人、逆から本を読んでるよ、何語だろう?」って言って
それからも相当気になるのか、ずーっと少女に観察されました。
あの頃はまだその少女に答えるほどの語学力も無く、
気づかぬフリをしていましたが・・・。
日ごろ、本を読んでて話しかけられることも時々ありますが
2度見されることが結構多いな、と思います。
ドイツ人にとってみれば、不思議なんでしょうね。