お菓子作りに加えて、ドイツに来てはじめたことのひとつ、「読書」。
本嫌いではないのですが、日本だとなぜか時間が無い。
テレビを見たりしてしまうので。
それがドイツに来てから、本を読まない日は無いというぐらい
毎日読むようになりました。
家では時々読む程度ですが、主に通勤電車の中、
あとは30分に1本しかない電車を逃してしまった待ち時間とか。
幸運にも回りに本好きな人が多くて、
貸してもらったり譲ってもらったりで、途切れることなく、
何かしらの本を読んでいます。
でも、日本みたいに本屋さんでどれにしよう~と選ぶほどは無いので、
貸してもらったり頂いた本は、趣味が合わなくても
お金を出してまでは買わないな、というものでも、
とりあえず、何でも読むようになりました。
途中であきらめる本もありますが・・・・。
そんな本のひとつ、谷崎潤一郎の「細雪(さめゆき)」。
これも譲ってもらった本で、3巻もの。
Wikiによると1948年に完成された本だそうで、
舞台も第二次世界大戦前という古いお話です。
だからか、文体や文章が古くて最初は読みにくく、
漢字の読み方がわからなかったり、
意味はわかるけれど、使ったり書くことの無い表現も多く
本屋さんで手にとっていたら、買わなかっただろうなという感じです。
初めてこういう文学本を読んだのですが、
内容はとっても興味深くて、何より大阪が舞台でありすごくわかること、
昔の大阪はこんなんだったんだ~などと知っているだけに想像が膨らみました。
そして、全編大阪弁で書かれています。
内容は女4人姉妹のそれぞれの人生。
ドイツ人との交流もあり、ドイツ語やドイツの地名も多く出てきました。
洋行(海外に行くこと)の難しさ、
自由に恋をしたり結婚をしたり出来ない時代・・・
また何より、物語の中で大洪水が発生するのですが、
ちょうど3月11日の地震のときにその部分を読んでいたので、
あまりの偶然にびっくりしたり、本当に色々と考えさせられる本でした。
今の私は自由に海外に来て、好きな人と結婚する。
そんなことさえ許されなかった時代。
4人それぞれの人生が興味深い本でした。
調べてみると、映画やドラマ化された有名な話のようです。
東野圭吾とかはよく読むのですが、
こういう文学作品を読むのも、よく考えたら初めてかもしれません。
読み終わるのが名残惜しく、でも4姉妹の人生がどうなるの?という
興味深さもあって、必死に読みました。
内容もどっしりしていて、色々考えさせられた物語、
なのに・・・・・
最後の、最後の一文が
「下痢はとうとうその日も止まらず、汽車に乗ってからもまだ続いていた」
以上!
え・・・?という終わり方。
気になった3女雪子のその後はどうなったの?というのと、
下痢が続いていた、という終わり方・・・・。
私に文学を理解する能力がないのでしょうか・・・・。
拍子抜けしてしまって、後味の悪いものになってしまいました(笑)
でもそれも含めて読んでよかった!