ドイツでの不妊治療に関して、仕事をしながら取り組むことが出来るか不安で
治療を迷っておられる方が何名かコメントをくださいました。
私の意見は、会社の理解無しには無理だと思います。
もちろん仕事内容、勤務のフレキシブルさ等が違うので一概には言えませんが。
有給自体は取りやすい国ですので、「病院に行く日をあらかじめ有給申請しておく」
ということも無理ではないかと思いますが、それもさすがに限界があるかな・・・と感じます。
またKWZが近くにあるのか、遠くにあるのかにもよりますし
待ち時間が比較的長いKWZかどうかでも違ってくると思います。
体外受精/顕微授精に限定されますが、
病院に通うタイミングに関して、私の場合は以下の通りでした。
生理周期等によって個人差はあるかもしれません。
(US=Ultraschall)
D1 生理開始 (KWZへ連絡しアポイントを取る)
D2
D3 通院1回目/US・自己注射についての指示
D4
D5
D6
D7 通院2回目/US・採血
D8
D9
D10
D11 通院3回目/US・採血・採卵日決定
D12
D13
D14 通院4回目/採卵 *全身麻酔、合計4~5時間程度
D15
D16 通院5回目/移植 (初期胚移植の場合) 合計2時間程度
D17
D18
D19 通院5回目/移植(胚盤胞移植の場合) 合計2時間程度
D20
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.
D35 通院6回目/判定日 (採血のみ) 30分程度
上記が基本の通院回数。つまり1周期、6回でした。
会社を休むほどの通院はD14の採卵日でした。
私は移植日も毎回お休みをいただいていました、時間が読めなかったので。
残りは、会社を遅刻&早退したりしながら通いました。
場所柄、朝イチの予約でも会社に遅刻するしかありませんでした。
KWZは診察時間でも担当の先生が予約で一杯だった場合は
時間を希望できないことがありました。(そのほうが多かったような・・・)
私のKWZでは採卵から移植まで安静にするよう会社に出す業務禁止の紙が出ました。
(本当はいけないけれど提出せず、翌日から出社したこともあります)
どうしても仕事の都合がつかず、KWZが指定する日に行けなかったときに
無理やりずらすことが出来たのは2回目と3回目の通院のみ。(採卵より前の通院)
とはいえ1日前後するのみです。(後より前になるほうが多かったかな)
また治療2回目以降は移植から判定日まで2回ほど通院を指示された周期もありました。
採卵や移植が何時に行われるのかという指示は
前日KWZに電話をして確認するため、前日にしかわかりませんでした。
(基本的には午前中でした)
私はOHSSが酷かったので移植から数日後に立ち上がることすら出来ない日が数日あり
欠勤したこともあります。
うまく長期休暇をあわせるならば、D3の1回目からD19の移植ぐらいまで
2週間程度お休みが取れれば出来るかもしれません。
私は直属の上司と一番近い同僚には正直に打ち明けて遅刻や早退をさせてもらいました。
もちろんその分残業したり早出で勤務時間は調整しました。
でも治療が2回目、3回目と続き、OHSSで休むことにもなったり、
会社に来たものの、ろくに仕事も出来ない状況(座っているので精一杯)だったこともあり、
途中からは、会社の一番上の上司と総務の責任者にも伝えました。
本当に恵まれたことに理解を示してくれ、また、その時に上司からひとつ言われたのは
「今まで入社以来、他のスタッフ以上に一度も手を抜くことなくしっかり仕事をしてきたでしょ。
こんなときぐらい自分を優先に考えなさい、誰もあなたに文句は言えない!言わさない!」と。
もう、上司の前で涙涙ですよ・・・。
そしてちゃんと真面目に仕事をしてきてよかったな、と思いました。
言い訳せず何でも取り組んだし(←自分の担当の仕事じゃないと受け付けないドイツ人たち・・・・)
健康が取り得なので病欠することも無かったし(←多少の風邪は病気じゃない!という日本人気質から・・・)
まれにサボる同僚とか、要領よく仕事する同僚とか見るとなんだか情けなくなることもありましたが
そういうところで手を抜ける性格でもなかったので・・・。
妊娠が成立してからも、上司にはすぐに報告しました。
出張が多かったのですが、出張中はあまり詰めて仕事をしないようにと
スケジュールを緩め緩めに設定すること、次の予定に急がなくていいようにしなさい!と指示され
また、あえてそれとなく私に負担が行かないように他のスタッフに仕事を頼んでくれたり、
本当に申し訳なかったけれど、逆にずっとうまく行かなかったことを知っているので
「気にしないで!ここまで来たんだから絶対に妊娠継続しないとね!」と励ましてくれました。
もちろん会社としても私に何か負荷を与えて大きな問題になることを避けたかったのもあると思います。
正式に社内で同僚に報告したときに感極まって、なかなかみんなの前で話せなかった私を
涙を流しながら聞いてくれた同僚たち、今も仕事を続けていますが本当に協力してくれています。
私が専属担当のようにやっていた「倉庫の生理整頓」も禁止命令が出ました(笑)
会社には言い出しにくい事かもしれませんが、でも理解ある上司や同僚も必ずいると思います。
私も治療を始めるなら仕事を辞めなければいけないかなと悩みました。
でも悩んでいても答えは出ないし、最初はすぐに妊娠できるかなと思っていたので
1度は仕事をしながらチャレンジしてみようと上司に相談してみたところ、
親身になって理解してくれたことで辞めるという考えはなくなりました。
ものすごく偶然に、上司の親戚が近くの町のKWZに勤めているとのことで、
必要であれば紹介するとまで言ってくれました。
私の家とは逆方向だったので、通院が難しく行くことはありませんでしたが
そうやって仕事を超えていろいろと心配してくれた上司でした。
気持ちの浮き沈みが激しい治療の日々で、仕事や同僚との関わりは
つらい気持ちを忘れさせてくれる場所でもあったので、続けられてよかったなと思っています。
つわりがあった頃も、仕事に行くとすっかり忘れて元気になって
また家に帰ってから翌朝会社につくまで体調最悪・・・みたいなことも多かったです。
こうやって振り返ると、なんとも多くの人の理解と協力あって今日まで来ていることに
改めて感謝しなければいけませんね。
産休・育休を取得した後、またこの会社で働きたいと思っていますが、
その暁には今回みんなが協力してくれた分、しっかり恩返しをしたいと思います。