Living in Germany

ドイツ人と国際結婚。夫&娘とドイツ暮らしです。

 

 

 

 

☆今の私の気持ち

今日は少し、いやかなり重たい内容になります。

*病名が出てきますが、ドイツ語で聞いたのでそれを自分なりに調べての日本語訳のため、厳密には違う可能性もあります。

今入院しているママ(義母)のこと。3月初旬、ずっと首が痛いと言っていたママはレントゲンを撮りに行きました。首は何もなかったのですが、念のために背中あたりまでのレントゲンを撮ったら肺に影が見つかり、すぐに病院に行くようにとのこと。その結果、悪性の腫瘍でした。

まだそれが悪性か良性かわからなかった頃、意識はしっかりあるのに、言葉が出ない、声が出せないということが1日で3度起き、不安になったママは3度目の症状が落ち着いたときに救急車を呼びました。そこで救急隊がチェックしたところ、脳梗塞(脳卒中?)の疑いがあるとのことで即搬送となりました。この時に呼び出され、そこから私と娘が泊まり込んでパパの介護が始まったのです。

そしてママの検査をしたところ、肺の腫瘍が悪性であることがわかり、また脳梗塞と思われた原因は脳に腫瘍があるとのことでした。おそらく肺から転移しての脳腫瘍なのではないかと思われます。腫瘍の大きさや数などからもその時に、このままではあまり先は長くはないという旨の話もありました。

とはいえ、その時点では見た感じ何もわからないぐらいいつものママ。そしてお医者さんとの相談の結果、まずは脳のほうを治療してから肺になるとのこと。ママは手術などはしたくないとのことでしたが、放射線治療を受けるとのこと。

ちょうどパパが亡くなる直前から放射線治療が始まりました。私自身は放射線治療は副作用がきついという素人ながらの知識はありましたが、高齢のママが治療をしたらどうなるのか、大丈夫なのか?と心配でしたが、案の定、治療が進めば進むほど弱って行きました。治療は全部で20回。平日は毎日通います。5分ほどのことなので通院扱いですが、家に帰ってきたらもう玄関で座り込んで動けないほど、また意識もはっきりしていないようなことがあったり、しんどくて救急で病院に行って入院してちょっと元気になって帰ってきて、また治療に行って弱って・・・の繰り返しです。そうこうしているうちに認知症と思われる症状が出てきて、時間の感覚などもわかっていないようで四六時中、仕事中や就寝中も構わず旦那に電話をしてきたり、同じように色んな友達に電話しまくったり・・・。たった2週間ほどで私たちもびっくりするほど普通に元気だったママが弱ってしまいました。

このままでは家族のみならずいろんな人に迷惑をかけてしまうし、ママを一人にするのは無理だし、そもそも1日に1回や2回、介護ヘルパーに来てもらうとかそういうレベルではなくて、終始見ておかなければならない状況。多少なりとも動ける分、友達に電話したりどこかに行ったりできてしまうので、寝たきりの状態だったパパよりも大変です。せめて放射線治療の間だけでも入院させてもらえないか病院に相談しようと思っていた矢先、イースター前に入院。そして同時に施設などを調べ始めました。

放射線治療が終われば元気になるのか、今のママの症状は治療によるものなのか、それとも腫瘍によるものなのかもわかりません。またパパが亡くなったばかりでその精神的なものもあるだろうし、いろんなことがありすぎて何がどうなっているのか私たちもわからない状態。

ここ数日、ママが本当に弱っていて昨日は話すことすらままならない状態で、でもまた今日はしっかり話す元気があったらしく、そういう一進一退の状況。

旦那がお医者さんと話がしたいと病院にお願いし、今日その話に行ってきました。結果、よくなる見込みは無い、覚悟をするように、とのことでした。具体的な期間についての話は聞かなかったこともあり、先生側からはありませんでした。

お医者さんの話は今のママの状況から言われたことですが、ママも旦那も「それは一般的(統計的)な症状による見解であってママのことを血液採取とかで調べたわけでもないし、そんなことはまだわからない」と。ママは絶対に良くなるという希望を持ち、残りの放射線治療も受けるし、必要な治療はなんだってする!という気持ちでいます。旦那はそのママの気持ちを尊重してあげたいし、もちろん旦那自身もそれにかけているという感じです。そこはもう私はどうこう言える立場でもないし、ママと旦那が選ぶ道を進んで行くならそれで構わないと思っています。

ただ、やはりママを見ていて日に日に弱っていることはわかるし、もともと乳がん、卵巣がんを50代、60代の時に患っており、そして今の状況。私はお医者さんの言うことはある程度そうなんだろうなと思っているし、ママの治る!という希望、一縷の望みもわかるけれど、こうなってしまった今、私自身は残された日々をママには幸せに過ごしてほしいと願っています。

ママは病気がわかったときに、治療が終わって元気になったら8月ごろに私達家族と一緒に旅行がしたいと言っていました。昔行ったことのあるバイエルンの宿にもう一度行きたいと。孫と一緒に旅行することを楽しみにしていたし、今ママが「生きたい」という思いは何よりも孫の成長を見たい、孫と一緒に色んなことをしたい、という強い気持ちから来ています。

放射線治療が終わるまでは入院できることになり、その後施設などに入所するのかその辺の手配を取っているのですが、私個人の気持ちとしては、施設に入ると手配はした上で、その直前の1週間なり10日なりを実家に戻ってきて、私も旦那も娘もみんな一緒に実家で暮らしてはどうかと。旦那にも休暇を取ってもらい、実家だけれど、旅行みたいな気分でみんなで生活。ちょうどいい季節だし、お庭でのんびりしたり、お友達に遊びに来てもらったり、ママがしたいことをする時間を作ってはどうかなと。幸いにもパパが使っていた介護用のベッドや車いす含めそういったものも揃っているし、限られた時間であれば私と旦那でママの世話もやればいいと思っています。期間が決まっているなら私もポジティブにママのことをお世話できます、それが永遠に続くとなると負担も大きくなるし、難しいので施設の手配はした上でという条件ではありますが・・・。

この私の気持ちは旦那には伝えました。ママが旅行に行きたがっていたこともあるし、どうだろう?と。旦那もママが元気になる希望は諦めたくないけれど、ママのことを思って最後にそういうことを計画することはいいことだと思うけれど、それってもうそれが「最後」という感じで逆に辛いものになってしまうのではないか、今「生きる」と言っているママに「最後にみんなで・・・」みたいな「最後」を思わせるような提案はできない・・・と。

旦那の言っていることもすごくわかります。もしママ自身が今の状況を受け入れて、もう辛い治療はしたくないし、最後は楽しい時間を過ごしたい、という気持ちでいるならばまだ話せることかもしれません。でも、どんな治療でも受ける!絶対に良くなる!と思っている、思い込んでいる以上はやはり難しい提案なのかもしれません。ただ、このままだと治療に疲れ果てて終わってしまうのではないかと、それって悲しいしさみしいなと感じてしまうのですが、もうこれ以上私は強引に何かを進めることはできないし、ママ本人と旦那とで決めたことを私は受け入れるしかありません。

これが良くないあれが良いなど色んな知識を集めまくったママは、食べ物も飲み物もものすごくストイック。私ならもう美味しいものを食べたい!となりそうだけれど、「病気に悪いから」と甘いものも一切食べないし飲まないし。そういうのも全部やめにして、好きなものを食べて好きなように暮らして「楽しかった」と思えるような日々にしたいな、と思うのですが・・・。

こういうのはもう本当にみんなそれぞれ考えがあるし、気持ちもあるし、家族だったり義理の家族だったり関係性も様々で、何が正しいのかもわかりませんし、答えもないこと。

パパが亡くなって、ママがこのような状況になって・・・、もしかしたらパパはそれをわかってたのかな、って思わずにはおれません。もしまだパパが生きていたらもっともっと大変でした、だからあのタイミングで息を引き取ったのかな、それかもしかしたらパパは一人が寂しいからママを連れて行こうとしているのかな。

旦那の落ち込みも激しくて、ただ本当に今は娘の存在に助けられていて、無邪気な娘が笑顔にしてくれている感じです。今夜は気分転換にと卓球の練習に行きました。旦那のこの今の気持ちを同じだけわかってあげることができないことが辛いです。でもこれはきっと逆の立場だったら同じこと。もし旦那に兄弟姉妹でもいたならば、同じように悲しみや不安を分かち合える家族がいたのかな、とかそういうことも考えてしまいます。一人っ子って、寂しい、寂しくないとか子供のころのことで考えたり話をしたりしがちですけど、今の旦那を見ているとこういう時に一人っ子の孤独を感じます。介護とか親のことで何かあったときに兄弟姉妹がいたら負担も分担できるし、旦那に兄弟姉妹がいたらなあ・・・とよく思いましたし、今も思ってますけど、今は今の旦那の気持ちを同じ立場で共有できる兄弟姉妹がいてくれたら、と感じます。

こんな日々ですっかり忘れてましたが、昨日でドイツに来て丸10年になりました。とうとう10年かー、としんみり。この10年、本当に本当に色んなことがありました。今この状況もまさしく「いろんなこと」の真っ最中ですが。ふと見渡せば旦那と娘という家族ができていて、そして色々助けてくれる友達に恵まれて、あっという間の10年でしたがしっかり生きてきた10年でもあるな、と。もちろんこれからも色んなことが起きるだろうけれど、これからも今まで同様しっかり生きていかないと!と身の引き締まる思いです。