Living in Germany

ドイツ人と国際結婚。夫&娘とドイツ暮らしです。

 

 

 

 

☆今更ながら新型出生前診断について思い出す

ドイツ語が母国語ではないし、完璧には出来ないし、ある程度、いやその場の言葉をたとえ100パーセント理解していたとしても、その言葉の裏に秘める皮肉だったり隠れた何らかのメッセージなどは理解できません。

 

日本語だったらカフェで隣に座る人の会話の内容も聞こえてくるけど、ドイツ語だったら聞こうとしないと聞こえてこないから、BGMみたいなもんで、耳から入る情報が少ない。日本に行くと、テレビの音声だけでも自然と聞いていてそこから情報も入ってくるので、日本語とドイツ語のこの情報量は雲泥の差とも言える。

 

以前、賃貸に住んでいてそこを出ることになったとき、大家のおばさんとの色々なやり取りの中で、その場で聞いていた私は彼女はごく普通のことを言っていると思ったけれど、旦那は「嫌な言い方!!なんやねんあいつー!」みたいなことを言っていました。それは私には伝わらず。私には至って普通の会話にしか聞こえなかった。

 

それがいいのか悪いのか、そりゃ理解するに越したことは無いけれど、逆に良くわかってなくて、その分グサっと響くのも少ないからそれはそれでいいんじゃないかと思うことも多々あります。

 

特にドイツ人はハッキリと物事を言うので、日本人的には一瞬圧倒されることもあるし、怖っ~!って思うこともあります。それでも十分心にグサっと来ているのに、更にその裏のことまで分かってしまったらもう心臓が持たないわ、なーんて。

 

私は学生時代ドイツ語を専攻したこともなく、ドイツに来てからドイツ語を学んだので、よく言えば「生きたドイツ語」、でも結局のところ「基礎が出来てない」ってことなんです。でももうそれは仕方ないので出来る範囲でやるしかない。

 

何でこんな話を書いたかと言うと、少し前に「コウノドリ2」のドラマを動画サイトで見ていたときに、「新型出生前診断」の回がありました。きっとご覧になった方も多いかと。もう日にちがたってしまったのでドラマの節々まで覚えてはいないのですが、新型出生前診断についての問題定義、何を思い、何を考え、どうすべきなのか、夫婦でよく話し合って結論を出す、っていうことを伝えたかったんだろうと思います。

 

そりゃ悩むよね、うんうん。私も高齢出産だったし人ごとではないし、私だったらどうするんだろう、どうしてただろう・・・と自分を重ねて見てたりしたのですが、あれ?もしかしてその新型出生前診断、私受けてる??と我に返りました。

 

そういえば、血液をどこかの検査機関に送って、その後婦人科の先生から電話で結果の報告があった、あの時先生は電話でxxxxがyyyyの1の確立で、zzzzが・・・とものすごい早口で話し、またその確立の数値が単位が大きいもんだからさらっと電話口で言われたぐらいでは全く心に響かず、最後に「ということでKein Problem!(問題なし)」と言ってたことはハッキリ覚えてます。そしてその「問題なし」って言葉を信じて、それ以上の検査結果を見るでもなく、聞くでもなく。

 

たまたま先日、書類を整理していたらその時に検査機関から送られてきていた詳細のレポートがありました、とりあえずファイルしておこうってことで出産関連のひとつとしてファイルしていました。改めてよく見たら書いてある、染色体異常の確立がそれぞれどれぐらいで・・・などという数値が細かく書かれていました。

 

今、娘が2歳半になった今、それをじっくり見る私。

 

でも、これも最初の話に繋がるのですが、先生はきっと色々説明してくれていたと思う。その検査がどういう検査で、どんなことがわかり、何かあったときはどうするのか等きっと話してたはず。でも私はわかってなかった。検査も言われるがまま受けた感じで、受ける・受けない、なんて大きな決断をした覚えもない。私には伝わってなかった、そしてそもそも無知だった。コウノドリを見て、私の「無知」は怖いものだなと思いました。

 

先生が「問題ないよー」って言ってたので「そっかー」みたいな感じで流していたし、事前に旦那ともそんな話をしたことも無かった。

 

当時、記事にしてますね、やっぱり何もわかってない感が伝わってきます。

 

 

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きっと今の私がこの検査を受けることになったらならば「あ、コウノドリでやってたやつだ!」ってピンと来て色々ネットで調べたりしてたことでしょう。当時はそれすらも無かったから本当に言われるがままだったなと反省。

 

そんな大切なことも「言葉」という壁で大切感が緩和されてしまったのか、でも最初に書いたとおり、それがいいのか悪いのかわかりません。いいときもあるし、悪い時もある。

 

今思うと不妊治療だって知識も全く無い中、とにかく日本語で情報を集めて、これはこのことかな?あのことかな?って先生の言っているわけのわからない初めて聞く単語連発の診療を受けてきたので色々聞き逃していることもあったことと思います。それも良かったのか悪かったのか・・・。

 

そういや、おなかの中の子供の性別を教えてもらった日、性別すらもどっちなのか知らない単語でわからなかったんですよね・・・。

 

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こんな母を持ち、育っていく娘。この国では親がドイツ人ではないことなんて当たり前すぎて普通にいるから別に特別でもなんでもないような印象を受けるので、違和感も無く緊張感も無く生活してしまっているのですが、だからこそ重要なことを聞き漏らしたり、大切なことを大切と思わなかったり、これからも色んなことがあることでしょう。ちょっと気を引き締めないとと思わされたコウノドリのドラマでした。