先々週の週末になるのですが、お天気が良かったのでちょっと足を延ばしてライン川湖畔までドライブとお散歩に行ってきました。
寒いけど太陽が出て気持ちいい。
ここはワインの産地なので川沿いにワインスタンドなどもあるのですが、もちろんロックダウン中なので営業していません(2月は通常でもやってないかも)。
なので、ただ散歩しかすることがありません。
川沿いの散歩道こそ少し人がいましたが、それ以外はほとんどいない。
ここは結婚式の時に写真を撮ったところ。
懐かしい、あっという間に10年です。
そう、結婚したのは2011年。東日本大震災の年です。地震直後のイースターに日本の両親に結婚のあいさつに行くことにしていて、でもドイツでは原発のことが取り上げられていたあの時、義母がヨウ素を送ってきたな、とかそんなことを思い出しました。
あれからまもなく10年。私はこのブログであまり震災のこととかお見舞いの言葉も含めて文章にする事はありませんでした。それを指摘されたこともありますが、それは私が何も考えていないという事ではありません。被害を受けた方と同じ気持ちを持つことはできません。想像を絶することだと思います。だからお見舞い申し上げます、と簡単に言葉にできないというか、その言葉が他人ごとのように聞こえてしまって、気持ちのこもった言葉として発することが出来ませんでした。
ちょうど今年が日独交流160周年で本来であれば色んな行事などもあった年だと思います。10年前は150周年でフランクフルトでも日本祭りが開催されるなど大きなイベントが企画されていましたが、震災で来独出来ない方が多くて、世の中の状況もあり(ドイツでは反原発一色という感じでしたが)、結局想定していたような大きなイベントにはなりませんでした。あれから10年か。。。と今年に入ってから160周年の文字を見る度に思い出す機会が何度かありました。
10年前にドイツにいたという人が周りで減ってきていることもあり、あの当時の気持ちとか思いを共有できる人も減ってきましたが、あの時の日本のニュースの映像で胸がえぐれるような、上手く表現できないのですがギューっとなるような気持ち、毎日毎日気持ちが沈んで、笑えない、何も楽しくないあの複雑な気持ち。あの時、同じようにここから日本のことを思い、悲しみ、不安で心が安定しない状態を話し共有することが出来た日本人の知り合いには、本当に救われて助けられました。
知り合いのドイツ人からも電話がかかってきたり家族は大丈夫?と声を掛けられることも多くて、ありがたいんだけれど、私の家族も友だちもみんな無事だし大丈夫なんだけど、気持ちは複雑で、そして二言目には「フクシマからは遠いのか?何キロ離れているのか?」と、そういう質問だったのを覚えています。
そしてイースターに一時帰国した時、飛行機から日本が見えてきて、着陸する時は涙が出ました。ずっとずっと心配していた母国のこと、色んな気持ちが錯綜しました。
でも、実際に降り立つと、特に地元の大阪などは何も変わらず今までと同じ町があって、生活も変わっていなかった。そのギャップにもまたびっくりしたことも覚えています。
そしてあの年、なでしこジャパンがW杯で優勝しました。決勝はフランクフルトのスタジアムでした。私はマイン川沿いのPVでそこに集まった多くの日本人と観戦したのですが、あの優勝というか決勝戦のなでしこジャパンの姿は春からずっと沈んでいた気分を明るい気持ちに変えてくれました。「諦めない」っていう思いを伝えてくれたあの夜の試合。今でもあの日のことを思い出すと泣けてくる。
あれから10年、実は毎朝ネットのニュースを見るのが今も不安なんです。大きな地震が起きているんじゃないか?とか思ってしまって、見るのが怖いとまでは言いませんが、いつも心の片隅に「ああ、今日も何もなかった」と安堵する感じが続いています。東日本大震災ほどの大きな被害をもたらす災害は無いとはいえ、その間も各地で地震や水害など色んなことが起きています。
数年前、日本への一時帰国中にも地震が起きました。大阪北部地震と呼ばれているあの地震。実家の本が落ちたりして、ガスが止まりました、ガスが止まったのは安全装置の作動だったのですが、あの時ちょうど横にいた幼い娘を何よりも先に守りました。これが大きな地震になったらどうしようという不安、扉を開けるとかそんな行動の一つも取る余裕もなく、ただただ怖い。
この恐怖と隣り合わせのような日々、でもついつい喉元過ぎれば・・・で忘れてしまうのですが、忘れてはいけませんよ!というようにたまにやってくる地震や災害。
日本から離れて日本の天災の多さには本当に驚くばかり。地震もなく、たまに聞こえてくるのは雪解け水での水位上昇による浸水などの被害程度のドイツにいると、尚更日本の天災の多さを実感します。
地震は無いってわかっていても、空港にいて着陸の飛行機の影響かドンっと響くことがありますよね、あれにビクッとしたり、少し前は会社の近くのビルが取り壊されていて地響きのような揺れがあってびっくりしたり、周りのドイツ人に話すと「そうだっけ?」ってなぐらいみんな気づいても無いのですが、どうしてもドキっとしてしまいます。
とりとめのない話になってしまいましたが、このタイミングで結婚式のことを思い出し、そして震災のことも思い出しました。結婚記念を迎える度に”結婚してから”だけでなく”震災から”「何年」と考えてしまうのですが、それが今年は10年という大きな区切りということもあり、今まであまり触れることのなかった話題なのですが、長くなりましたが綴ってみました。
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