今日はちょっと最近思うことを書きたいと思います。気分を害する方がいたら申し訳ありません。
海外に住む日本人は昨年の外務省公式発表によると134万人。コロナで少し減ったけれど、この在外邦人の人数はずーっと増え続けています。
外国に住む理由は色々あると思います。仕事で駐在している人、留学生、移住など様々。仕事や留学などで一時的な数年程度の滞在だとそこまで感じないかもしれませんが、私のように生活のメインを海外に移している人にとって、日本の様々な制度がイケてない=海外在住という人がいることを全く想定していない、というのは多くの方が感じておられるかと。
加えてここ数年のコロナによる水際対策なども相まって、
海外で生活する日本人
はもう日本人として認めてもらってないんだろうな、と思うことが多々あります。皆さんの周りにも一人や二人、海外で生活している人がいるでしょうから、そこまで珍しことでもない海外生活、とはいえ国の制度とか色んなことがこの134万人もの人が海外に出ている時代に即していないんですよね。
代表的な話だと、「選挙」。
制度としては選挙に参加できるけれど、現実は難しい人が多い。
まず「在外選挙登録」というものが必要ですが、それを登録している人が134万人中たった10万人。もちろんこの134万人の中には子供たちもいるだろうから全員に選挙権は無いとはいえ、この10万人という数はちょっと異様ですよね。その10万人のうちの投票率は20％程度のようですが、選挙権のある在外邦人全体の投票率はものすごく低いことがわかります。
そして最近はマイナンバーカード。日本で色々報道されているマイナンバーカード。これは海外在住だと持てません。国内に住民票が無い場合、番号はありません。通知されないと書いているけれど、じゃ、聞きに行けば教えてもえらえるのかな？
マイナンバー、マイナンバーカードが無くても今のところは困りませんが、これから免許をくっつけるとか言われてますよね。銀行から海外送金するときなどはマイナンバーが必要なケースがあります。
そしてその銀行も、海外在住だと（マイナンバーが無いと）口座が作れません。私は日本で社会人をしていたころの口座をそのまま持っていますがこれも多分ルール上はNG。
そして戸籍謄本、取得するには日本から取り寄せなければなりません。日本人として必要な申請を海外（総領事館などの在外公館）で申請するのに、戸籍謄本が必要な場合、そこでは取得できないので日本にいる家族や親族に頼まなければなりません。家族がいない人もいます、行政書士さんとかに頼めばできるそうですが、もちろん費用が発生します。戸籍謄本自体が日本でもどこでも取れるわけではない（戸籍のある市区町村に出向く必要がある、郵送対応してくれるけれど切手？を入れるなど海外からは無理）。
日本に必要な申請なのに、なんで領事館で取れないわけ？これはもう10年以上、毎年総領事館から来るアンケートの最後に意見を書いていますが、何も変わりません。
免許も私は都度、更新に行っています。なぜか？日本での身分証明書が無いから。パスポートは身分証明書にはなるけれど、新しいパスポートになって「住所」を証明する手段としては使えなくなったので、身分証明書で住所を証明するものは免許証しかありません。毎回ではないけれど、たまに日本で身分証明書が必要なことがありますよね？
最近では一時帰国の時に使うSIMの契約に必要でした。（一時的なプリペイドSIMではなく契約したので）
身分証明書の話は海外に住んでいるから、という話ではないですがマイナンバーカードも持てない以上、身分証明としては免許証が最後の砦。（でも私の周りの海外在住者で、日本の免許証を持っていない人もたくさんいます）
まあ、あれやこれやと書きましたが、130万人以上が海外で生活をするという時代に即していないことが多々あること、そしてそういう発言をしようものなら「自分で選んで海外に出たんでしょ」と叩かれる。
外国、海外、そう「外」なんですよね。もう日本を出たら「外の人」になる。その「外」という疎外感みたいなのをすごく感じるんです。そしてコロナで更に感じる結果となりましたが。
水際対策の間、日本人ではない配偶者や家族が日本入国できないという時期がありました。家族なのに・・・。
結局のところ
日本人で、日本で生活して、日本人と結婚して、日本で子供を産む
人のみが「日本人」と言える、というような、もちろん表向きは「そうじゃない」ってなるんだろうけれど、結局色んなルールや制度がそれを元にしか考えられていない気がします。
そう、でも「好んで出て行ったんでしょ」って言われたおしまい、みたいな。
そこで完全に「外国人」扱いかと言ったらまた違っていて、JRパスだの免税手続きなどで「海外に出た日本人を締め出す」という方向のような改悪が行われたり。
ジェンダーフリーだのLGBTQだの、SGDsだのなんだの・・・と色々と言われる今、普通に一人の人間として、海外で生活している「日本人」にすらこんな状況で、何がダイバーシティだよ！って思ってます、心の中では。
上がらない給料、うだうだするコロナ対策、不安定な政治、教育問題、高齢化社会・・・・あげればきりがありませんが、日本で生きていくことが本当に幸せなのかって思って、海外に出る人も多いと聞きます。
私は別に日本が嫌いで日本を出たわけではないし、当時は日本の将来に不安が…とも思っていたわけでもありません。でも、海外で長く生活するようになって、そして今の時代、ニュースなどもリアルタイムで入って来るこの時代になったからこそ、余計にその「差」というか、日本への不安みたいなのも大きくなってきたのかもしれません。
いつかまた日本で生活するかもしれない、それは私にはわかりません。日本は大好きだし、家族も友達もいる日本は私の母国だし、大切な国です。
だからこそ、だからちゃんとしてほしい、しっかりしてほしい、色んな時代の流れについていってほしい、世界を見てほしい、そういう思いが強くなります。
最近、海外に長い日本人の人たちと話していると「いつかは日本に帰りたいなって思って今まで生きてきたけど、なんか最近もうそういう気持ちもなくなってきた、たまに帰っておいしいもの食べて安い買い物して、生活のベースはこっちでもいいかな、こっちにいたほうが安心かなって思うことが増えてきた」というような話を聞くことが増えました。
言葉も食事も文化も何の違和感もない母国に帰りたいと思うことは私も多々あります。だけど例えば自分の将来とか、子どもの未来とか教育とかなんかそういうことを色んな側面から考えた時に、日本に住むことが幸せなんだろうか？ってふと思うこともあります。
もちろん日本に住んでいる人を否定するつもりもありませんし、憐れんでいるわけでもありませんが、なんか何が幸せなんだろうな、って思ったりもします。
色々話がそれてしまいましたが、私は今ドイツに住んで、ドイツ人の旦那も娘もいますが、ドイツに国籍を変えたわけではないので私は日本人です。選挙権こそないけれどでもそれ以外で日本人であること、外国人であることで何かマイナスな対応を受ける（差別とかそういうことではなくて）、そういう「外の人」扱いをされたことは1度もありません。日本人だけどドイツで生きてドイツで仕事して、納税して、普通にまじめに生きているごく普通の1人の「人」として扱われているというのをすごく感じます。
そりゃもちろん外人局との戦いとか、VISAの申請とか大変なことは多々あるけれどそれは外国人として住む上で避けられないことなので、そういう話ではなくて、です。
日本に住む外国人の人たちが同じように感じているのか、同じように行政含め様々なことを日本人と同じように提供されているのかまではわかりませんが、私がドイツで生きているように、母国じゃなくても平等に生きていると願いたいです。
なんかとりとめのない話になりましたが、日々感じていることを書いてみました。色んな意見があると思います。今、住んでいる国によってもまた違った見方があると思います。うまくまとめられませんが、要するに言いたいのは・・・
日本、がんばって！
かな（笑）
サッカーとか見ていると「日本人」をすごく意識してしまうんですよねー。ドイツも応援したいけど（今回はたまたま直接対決もあったけれど）、ドイツはできれば勝ってほしいなっていう気分ですが、日本は勝ち負けとかその次元ではなくなんか心臓がキューっとする感じです。
娘に「ママ、私の事好き？」と聞かれて、好きとか嫌いとかそういう次元じゃないんだよ！もうそんなのを超えてるんだよ、って言うのと似てる。
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